【前編】秘密は味と笑顔と少しの心遣い-海南鶏飯BALESTIER Joey Ho Niheiさんの場合-

フードトラックな人たち
【前編】秘密は味と笑顔と少しの心遣い-海南鶏飯BALESTIER Joey Ho Niheiさんの場合-
今回取材したキッチンカーは、海南鶏飯BALESTIER。海南鶏飯。聞きなれない言葉ですが、シンガポールチキンライスのこと。タイのカオマンガイと同じルーツを持つ、茹でた鶏肉とご飯のセット。ソースなど、カオマンガイとはまた違った味が楽しめるのが特徴です。そんなシンガポールチキンライスを提供しているのが、オーナーシェフのJoey Ho Niheiさん。シンガポール出身で、大学時代までをシンガポールで過ごされています。そんな彼がなぜ日本の地で開業を? なぜキッチンカーを選んだ? その理由とこだわりに迫ると、キッチンカーの未来を覗くことができました。(取材2020年3月)

キッチンカーで毎日違うところへ。

それから、キッチンカーはこれからの時代の働き方にも合っているんじゃないかと思います。必要な時に必要なものを提供する多様性と柔軟性に溢れる時代。
例えばキッチンカーの営業時間は子育て中の主婦/主夫に向いているんじゃないかと思います。朝、子どもを学校に送り、10時から15時までバリバリ働いて夕方になったらお迎えに行ける。そういう働き方もあってもいいんじゃないかと思います。

今度数十台へと規模を拡大したら、そういった雇用形態を試し、社会経済への貢献も考えています。経営が安定したら実証実験を始める予定です。それは絶対、どこかのタイミングでやります。

オフィス街でのランチタイムが主戦場のキッチンカー

こんな風に、キッチンカーの魅力やメリットを知っていくうちに、やりたいことが固まっていきました。僕は母が日本人なので、日本名も持っているし、日本語も喋れるし、日本へも70回くらいは来ていたんですが、それでも僕自身、2年前までは日本でシンガポールチキンライスをつくってるなんて思ってもいなかったですね(笑)。

おいしさ、コミュニケーション、アート。 飲食店が提供できる、3つの幸せ。

異国感を増す「福」のネオンサインは、営業中はキッチンカーに飾っている

じゃあどうやって毎日80人を幸せにするか。ランチタイムを余裕の持てる時間にするために大事なこと。僕が思うに3つあります。1つ目は料理がおいしいは当たり前。おいしいごはんを提供していると信じているからこそ、ほかのことを考えられる。ただ、安全であることはさらに大前提です。

2つ目がコミュニケーション。お客さんはもちろん忙しい。それでも、1人ひとりを大事にして、「いつもありがとうございます」とか「あれ、今日ちょっと来店が遅いですね」とか、話も大事。お客さんも店に覚えてもらうと嬉しいですから。あとは楽しませるまではいかなくても最低限音楽でも。そういうちょっとした仕組みを考えていますね。

3つ目はアートです。アートって、よくわからない人も多い。僕だってアートが好きだっていうけど、わからないアートもいっぱいありますから。でも、どんなにアートが興味ない人でも、お花の絵を見て気持ち悪くなる人ってそんなにいないじゃないですか。誰にでもわかりやすいモチーフで、並んでる間にちょっと視界に映るだけでも幸せにできたらいいですよね。
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