【後編】おいしく楽しく安全に。キッチンカーの裏側での工夫、お見せします-海南鶏飯BALESTIER 桑名さんの場合-

フードトラックな人たち
【後編】おいしく楽しく安全に。キッチンカーの裏側での工夫、お見せします-海南鶏飯BALESTIER 桑名さんの場合-
キッチンカー「海南鶏飯BALESTIER」からシンガポールチキンライスを届ける、オーナーシェフの桑名二平さん。前編では、その開業経緯を取り上げました。後編のテーマは、ミシュラン一つ星を含む、海外の複数の飲食店で修行した彼が考える、キッチンカーでできる工夫。どうしたらおいしく楽しく安全に料理を届けられるのか。仕込み場で実際に調理してもらいながら、そのこだわりを取材しました。

おいしさを実現する、こだわりと無数の工夫

料理の大前提は、自分のエゴじゃなくてお客さんの幸せを優先すること。本当に満足してもらえるよう、営業開始前のメニュー開発には時間をかけるべきだと思います。

僕の場合、まずは知り合いを集めて試食会を開催。関西出身か、関東出身か、この料理ならいくら払えるか、味の好みや金銭感覚を知るためにかなり詳細にアンケートを取りました。そこでびっくりしたのが、9割の方が鶏肉がチルドだと気づかなかったこと。僕としては冷凍よりもチルドの方がおいしいはずだから、チルドを使ったんですけど、ほとんどの人は冷凍と味の違いがわからないんです。チルドの使用は、僕の料理人としてのエゴだとわかりました。実際、チルドの方が高いので、同じ値段で冷凍の3分の2くらいしか提供してあげられないんですね。それだったら冷凍にして、量を増やした方がお客さんに喜ばれる。試食会あってこその気づきでした。

お客さんの喜びを第一にトライ&ブラッシュアップ。

その代わり、冷凍独特の臭みを消したり、旨みを高めたりと、仕込みには時間をかけています。しょうが、ニンニク、ねぎ、塩、砂糖などを混ぜたものに何時間か浸けておき、茹でる際には低温調理器を使用します。冷凍というマイナス要素をゼロにするんじゃなくて、プラスにまで持ってきたいと思って。手間をかけて、やわらかいけど味がぎっしり詰まった肉をめざしています。
試食会の次は、週5日の本格営業の前に、週2日の仮営業を始めました。最初から週5日営業すると、営業と仕込みに時間を追われて、味を改善する時間がないんですよね。せめて最初の1ヶ月でも週2日に抑えると、残りの時間をたっぷり改善に使える。売り上げが心配で、焦ってすぐにフル稼働する気持ちもわかりますが、最初に改善をした方が、長期的には味に人気が出て売り上げは増えますから。
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