キッチンカー(フードトラック)制作25年の会社社長が語る最も大切なことは何か?

フードトラックな人たち
キッチンカー(フードトラック)制作25年の会社社長が語る最も大切なことは何か?
移動販売車をつくり続けて25年以上の株式会社あいあんクック。手がけたキッチンカーは1,500台を超え、製作だけでなく出張修理や開業相談まで幅広く受ける、まさにプロ中にプロです。最近ではキッチンカーのリースサービス「フードトラックONE」にも製作担当として参加している、あいあんクック代表の竹内さんにお話を伺いました。

値段よりも大事なこと

Q:キッチンカーで最も重要なことは?
耐久性です。移動したり、調理器具を使ったり、雨風に打たれたりと、キッチンカーには常に負荷が加わります。キッチンカーの故障=営業停止すること、あるいは大きな事故につながります。なので耐久性は最も重要なポイントになります。しかし耐久性だけを追求すると、今度は車体が重くなる。重いと燃費も悪いし、横転のリスクもある。だから頑丈であると同時に、なるべく軽く作らなければいけません。「軽く強く」が永遠のテーマ。たとえ中古車でも粗悪でないベースのしっかりした車両を選び、あとはステンレスなど軽く丈夫な素材でキッチン部分を作っています。
Q:丈夫に作っておけば長持ちもしますしね。
最初のお客様に作った軽自動車のキッチンカーは、もう26年モノです。その方は今や買い換える資金力もあるんですが、長年乗っている車だから愛着もある。もはや相棒ですよ。安心して長持ちして愛してもらえるように、うちは売りっぱなしはしていません。製作販売後も不具合があれば、うちで見せてもらっています。
Q. 販売後のメンテナンスは車検通ればOKなんですか?それ以外にも必要?
はい。車だから車検があり、そこで検査してくれるから大丈夫と思っている方も多いけど、そもそも車検は車としての機能や安全性をチェックするだけなので、荷台の改造部分は見てくれません。車検通っても安心できないのが、キッチンカーです。さらに普通の車よりも重いからタイヤの空気圧も高く保たないとバーストしたり、旗を掲げるための穴だったりと雨漏れが心配な箇所は多いから、普段から定期的な自主メンテナンスは必要です。定期的にチェックしてほしい項目リストを作っています。
Q. 丈夫に作ってメンテナンスも、となるとお金がかかりそうですが。
「安い車で成功するんなら、みんな成功してる」という話はよくします。最初に値段を考えて粗悪品を選んだら、1年どころか半年もたたずに廃車なんていう可能性もあるわけです。損して得とれ。値段とのバランスを見ながらも、できるだけ長持ちする車を選ぶべき。家と同じですよね。欠陥住宅だったら、やっぱりダメなんです。考えずに買って改造したら、家の車庫や出店先に入らないサイズだったなんて方もいますよ。そうしたことがないよう、お客様とは何時間も話し合って必要十分なキッチンカーを作っています。

安全面・衛生面へのこだわり

Q. 丈夫なキッチンカーにするための具体的な工夫には、例えばどんなものが?
強化ガラス、シャッター、オーニングテントなどがあります。オーニングテントとは、カウンター部分に取りつける屋根のこと。オーニングテントならパイプに巻きつけて長さを調整して日除けにできるので、風に煽られる心配がないんです。跳ね上げ式の屋根を希望する方もいるけど、うちでは絶対に受けません。風に煽られると危ないし、鍵を閉め忘れると走行中に開いて事故の原因になりますから。お客様のためを思ってこそ、安全にしんぱいのある希望は受けません。
Q. お客様に安全性の問題を伝える場面があるわけですね。
とっても多いですよ。例えば、プロパンガス。火を使う場合なら必要ですよね。じゃあガスだけ積めばいいのかっていうと、そうじゃない。革手袋、開閉ハンドル、木ハンマー、ナイロンロープ、漏洩検知液、車輪止め、LEDライト、メガホン、スパナ、全部で10個も載せないと、プロパンガスは運搬しちゃいけないんです。違反が見つかると、罰金50万円。想像する交通系の罰金の範囲を超えてるんですよね。こうした点も知らないお客様がほとんどなので、毎回説明しています。
Q. 飲食店である以上、衛生面も重要なわけですが。
キッチンカーも店舗同様、保健所の許可が必要です。飲食店舗出身のお客様の落とし穴がまさにそこ。同じ飲食業でも店舗とキッチンカーは全然違うんです。什器の長さ数cmで通らなくなる世界。そういった点も考慮して設計します。何台も手がけてきたので、申請が通らないこともほとんどなくなりました。開業を検討中の方に、保健所がうちを推薦してくれたこともあるくらい。自信を持っています。

売上を左右する演出とは?

Q. 安全面・衛生面以外で重要な部分は?
シズル感、ライブ感の演出ですよね。店舗ではおいしく見えていた料理も、キッチンカーで使い捨て容器で提供するとおいしそうに見えない、なんてこともある。キッチンカーだと、おいしく見せる演出がしにくいんです。だから塗装など、車で演出できる部分はなんとしてもこだわった方がいいと思います。
Q. 演出の際に気をつけるポイントは?
キッチンカーはカウンターから中が全部見えるんですよ。調理現場を隠せない。冷凍食品をレンジでチンだと売れないですよね。ピザ屋さんのケースでは、ピザ窯を車内に設置しました。長く続けていろいろなお客様を見てきましたが、そうした武器になる演出を持っているお客様は成功していますね。
Q. 他にはどんな工夫を施しているんですか?
荷台に箱だけ載せる仕様は少なく、ほとんどの車が足元近くまでスカートを取り付けています。これがないと走らないわけじゃないけれど、あった方が車のぶぶを隠すことができ、店として雰囲気が出る。フードトラックとは呼びつつも、なるべくトラック感は消してお店らしくするための工夫ですね。
Q. 最後に、開業を考えている人へメッセージをどうぞ。
「お金を儲けたい」「楽したい」ではなく、「この料理で人に喜んでもらいたい」と思える人が成功しています。うちとしても安易な考えの人には、怖くてキッチンカーを作れない。不注意・低コストだと大きな火災事故にもつながりかねないですから。本気で考えている人であれば、移動販売の先輩としてまずは開業相談からお受けします。キッチンカーで叶えたいことをぜひ聞かせてください!
今回のインタビューでは、社長自身もフードトラック経験者ということもあり、車以外のこともたくさん教えていただきました。インタビューの中でお話しされていたのは、はじめようとしている人たちみなさん料理への思いややる気は持っていても、始めるための下調べや情報収集が全然足りなくて、このまま始めると失敗するという人も多いとのこと。開業するためには準備や知っておかなければいけないことがたくさんあります。下記から是非Mellowまでお問い合わせください。