【前編】NO.1行列店!スペインで料理長を務めたシェフが語る「売れる店」の極意 -TOKYO PAELLA吉沢さんの場合-

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【前編】NO.1行列店!スペインで料理長を務めたシェフが語る「売れる店」の極意 -TOKYO PAELLA吉沢さんの場合-
どこに出店しても立ちどころに常連客の列でにぎわう人気店『TOKYO PAELLA』の吉沢さんは、10年以上キッチンカーに乗って街から街へ、たった一人で鍋を振るい続けてきた大ベテラン。超本格料理とその無骨なまでの職人魂はキッチンカー仲間からの憧れの視線も集まる存在。そんな『TOKYO PAELLA」はいかにして今のスタイルを築きあげたのか、ルーキー時代の苦いエピソードをはじめ、その足跡をお話しいただきました。(取材日:2018年1月)

売上が上向いてきたきっかけはオペレーションの改善。いつでもブレない味を届けることがファンづくりにつながる

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「吉沢さんのような経験豊富なシェフでも味のブレが起こるんですか?」
吉沢さん
「米でも水の量でも温度でも湿度でも変わってきちゃうんですよね。そういうデリケートなものを短時間に仕上げるのって大変だから。しかも車の中で。未だに試行錯誤を繰り返してます」
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「作って、よそって、接客して、お金の計算して…それを全部お一人でですもんね」
吉沢さん
「『硬かった』とか『芯が残ってた』とか『こんなの食えない』と。始めたばかりの頃はそんなお叱りの言葉もいただいてましたね。
始めた当初は回転率悪いのに、大きい鍋で炊いてるから余ったら冷めちゃうし。ここ5、6年ですかね、安定してお客さんが並んでくれるようになったのは。
パエリアって作ってても未だに安定しないんですよ。ちょっとのことでブレが出ちゃう。だから売れなかったんですよね、何もかも理想に到達してなかったから」

アツアツを盛り付け

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「お客さんは本当にシビアですね…。今も変わらず大鍋でやってると思うんですけど、最初の頃と比べてオペレーションが格段に良くなったんですね」
吉沢さん
「そうですね。最初の頃は1日鍋を3枚炊いてヘロヘロになってましたから。オペレーションが安定するまでには結構時間がかかりましたね」
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「今日の営業では12枚ですか!(約100食分!)」
吉沢さん
「今は営業開始の1時間前に現場着いて、5枚をまず炊いて。あとは接客しながら順次作ってます」
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「いつも現場に入られるのも早いですよね」
吉沢さん
「はじめは家出るのも遅かったんですよ。でも余裕持って用意してやってるとまた違うんですよね。早く行って損することってないから」

余裕を持って現場に入り、準備に取り組む吉沢さん

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「それも、いかにブレを出さないように作れるかっていうことなんですね」
吉沢さん
「スペインで食べた美味しかったベストな味っていうのが頭の中にあって、そこに辿り着けるように日々改良しています。
ブレがあるとやっぱりお客さんにわかっちゃうんですよ。味の追求と安定性、オペレーションが噛み合うまでに3、4年かかった、というところでしょうか」

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「今みたいにリピーターの方が増えた一番の要因って、安定していいパエリアが作れるようになって来てからなんですね」
吉沢さん
「そうかもしれないですね。安定した後もそりゃまぁ色々ありましたよ。もう忘れちゃったけど(笑)。
仕込み場なんかも、今では仕込み専用の場所でやってます。専用の場所じゃないときはごちゃごちゃしちゃって落ち着いて作業できていなかった気がします。余裕持ってやらないとダメですよねぇ」

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「余裕を持って取り組む、何事にも大事です…」
吉沢さん
「ずっと探求し続けているから『良くなっていってるな』っていう実感がモチベーションになって、10年続いてきたというのがあるんじゃないかなぁ。
その結果、毎週喜んで来てくれる常連さんや、お客さんに美味しいと言ってもらえる。それがやっぱり一番のモチベーションです」
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