パン屋開業の流れや必用な資金とは?キッチンカー(移動販売)と固定店舗の比較も紹介

開業前のポイント
パン屋開業の流れや必用な資金とは?キッチンカー(移動販売)と固定店舗の比較も紹介
パン屋を開業したいと考えた時、まず気になるのは開業までの道のりです。特に経験が無い人の場合は、必要な資金や資格、どのような業態があるのかも気になるでしょう。この記事では、パン屋を開業するまでの流れや必要な資格、開業資金について解説します。また、キッチンカーと固定店舗のパン屋の比較も見ていきましょう。

パン屋開業の流れと必要な資格

パン職人になるために必須の資格はありません。しかし、パン屋開業のためには、いくつかの資格や許可が必要です。また、取得しておくと有利になる資格もあります。

パン屋開業の流れ

パン屋を開業するための流れをつかんでおくと、計画を立てやすくなります。

まずはメニューやコンセプトを決め、それに沿って店舗の業態やデザイン、出店場所などを考えます。

コンセプトやイメージが固まったら、パン屋を開業するために必要な資格と申請を確認し、取得します。同時に開業資金や運営資金を調達し、必要な設備や道具類を購入しましょう。

その他、集客や告知の方法を考えることも忘れてはいけません。Webサイトや広告を自分で作成するのが難しい場合は、デザイナーや印刷屋への依頼や準備が必要です。

こうした流れを経て、晴れてオープンを迎えます。

【資格①】食品衛生責任者

続いて、パン屋開業に必要な資格を見ていきましょう。食品衛生法施行条例により、飲食を扱う事業では各店舗に1名の食品衛生責任者が必要です。ただし、栄養士や調理師、製菓衛生師の有資格者は食品衛生責任者の取得が免除されます。自治体ごとに資格取得のための講習会が開催されているので、費用や時間は各自治体に確認しましょう。

【資格②】営業許可申請(保健所へ提出)

パン屋を開業するためには、出店する地域の保健所に営業許可申請を提出するのも忘れてはいけません。業態によって複数の営業許可が必要な場合があるので確認しておきましょう。例えば、パンを焼いて販売する場合は「菓子製造業許可」、サンドイッチや総菜パンを製造販売する場合は「飲食店営業許可」が必要です。

またキッチンカーなど、パンを製造する場所と販売する場所が違う場合は、その両方の営業許可を申請します。既に出来上がっているパンを販売するならば「食品移動販売車」、自動車の中で調理をする場合は「食品営業自動車」の申請が必要です。

【資格③】パン製造技能士

パン屋を開業するにあたって必須の資格ではありませんが、パン屋としての信用度が増す資格として「パン製造技能士」があります。これは、厚生労働省が認定する国家資格で1級と2級があり、実務経験や指定された学科を学んで卒業した人が受験できる資格です。詳しい内容は、厚生労働省や中央職業能力開発協会(JAVADA)を確認してください。

パン屋開業に必要な資金

パン屋を開業するために必要な資金は、想定している業態や出店場所の立地などにより変わってきます。また、製造販売するパンのメニューによっても必要な設備が異なるので、開業前にしっかりと確認しておきましょう。

店舗費用や内装外装工事費

固定店舗のパン屋の場合、店舗面積は20坪ほどで開業できるといわれています。物件を借りる場合は、開店準備期間も含め、約半年分の家賃と仲介手数料程度を用意しておきたいものです。また、最近では、居抜き物件を利用するケースも増えています。居抜き物件であれば費用を抑えられますが、立地条件などの問題がある可能性も考えられるので、事前に確認しておきましょう。

その他、自宅を店舗として開業する方法もあります。その場合も店舗を借りるのと同様に、内装外装工事の費用が必要です。

一方、キッチンカーで販売する場合は家賃がかかりませんが、新車のキッチンカー購入で200万円~500万円ほどかかります。新車にこだわらないのであれば、中古車やレンタル・リースを選ぶことにより、初期費用が抑えられます。

パン製造の設備投資

パンを製造するための設備は、オーブン・ホイロ(発酵を促進させるもの)・ニーダー(パンこね機)など。他にも、冷蔵庫やガスコンロ、作業台やパンラックといった食品を扱うための設備も必要です。こうした設備を中古で揃えると50万円ほど、すべて新品ならば600万円ほどかかります。

パン製造の原材料費

製造販売するパンの種類にもよりますが基本的な原材料として、小麦粉・バター・砂糖・塩・イーストなどを用意します。この他、菓子パンならばクリームやチョコレート、総菜パンならば卵やハムなども使います。目安として原材料費が1日1~2万円程度かかると見積もっておきましょう。

広告や宣伝費用

店のオープン時は、知名度を上げるために広告や宣伝にも力を入れましょう。チラシやポスターといった印刷物の用意には10万円ほどかかります。さらにWebサイトを作成する場合、トップページで10万円~20万円、他ページは1ページにつき5万円程度かかるのが相場です。

販売のための備品代

パン屋開業のためには、什器や販売用品も必要です。調理器具、トレイ、カゴ、トング、(パンを入れる)袋、レジやレシートなどの備品をそろえると、約60万円かかります。

固定店舗でパン屋を開業するメリット・デメリット

物件を借りる以外に、自宅の一部をリフォームした自宅ショップも固定店舗に含まれます。ここでは、固定店舗でパン屋を開業した場合のメリットとデメリットを紹介します。

【メリット】自分のカラーを出した店づくりができる

固定店舗でパン屋を開業する最大のメリットは、自分のカラーを出した店づくりができることではないでしょうか。パンのメニューやレシピ、原材料にとことんこだわれる他、外装や内装を自分好みのコンセプトやイメージに合わせて決められます。こだわりを詰め込みたくなりますが、予算内に収めることも忘れないようにしましょう。

【デメリット】初期費用がかかる

固定店舗でのパン屋開業は物件の家賃以外にも、内外装工事費やパン製造用オーブンの設置費用など、初期費用がかさむというデメリットがあります。また、自分以外のスタッフを雇うのであれば、人件費もかかります。自宅ショップの場合は家賃がかかりませんが、調理場や店舗スペースなどのリフォーム費用が必要です。

キッチンカー(移動販売)でパン屋を開業するメリット・デメリット

パン屋の業態として最近人気を集めているのがキッチンカーです。屋外での営業が基本であることや、テイクアウトが中心であることから、キッチンカーは新しい生活様式に適した飲食業のスタイルとして注目されています。キッチンカーでパン屋を開業する場合のメリットとデメリットを見てみましょう。

【メリット①】好条件の立地に移動しやすい

キッチンカーは季節や天候、イベントに合わせて好条件の立地に移動しやすいというメリットがあります。特に新しい生活様式が浸透し始めている昨今、マンションや団地、公共施設の敷地内などへの出店が増えています。好条件の立地に移動しやすいというメリットは、集客アップにもつながるでしょう。

【メリット②】固定店舗に比べてコストが抑えられる

キッチンカーは、固定店舗に比べてコストが抑えられるというメリットもあります。固定店舗では先述したように家賃や内外装工事の費用がかさみますが、キッチンカーであれば中古車を購入したり、内装工事をある程度自分で行ったりしてコストを抑えやすいでしょう。また、キッチンカーのレンタルやリースを利用すれば、初期費用をさらに抑えられます。

【デメリット①】売上が天気に左右されやすい

キッチンカーのパン屋は基本的に屋外での販売がメインになるので、天気によって客足の変化が大きいというデメリットがあります。季節や天候に合わせてメニューや仕込みの数を変えるなど、工夫してみましょう。

【デメリット②】出店場所を探すのが難しい

キッチンカーは出店場所を探すのが難しいというデメリットもあります。人気の出店場所やイベントは競争率が高いため、開業したばかりではなかなかチャンスに恵まれません。また、出店場所の見当を付け、出店の交渉をする営業力も必要です。

「自分で場所探しするのは大変…」と感じている人は、経験豊富なスタッフのサポートが受けられるマッチングサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。日本最大級のモビリティビジネス・プラットフォーム「SHOP STOP」に登録すれば、出店場所を見つけたいキッチンカーと空きスペースとを結びつけてくれるので、出店可能な場所を簡単に探すことができます。

パン屋開業を成功させる戦略

パン屋にはライバルが多いといわれています。スーパーやコンビニでもパンが手軽に買える今、新たにパン屋を開業し成功させるためにはどのような戦略が必要でしょうか。

お客様のニーズを汲み取る

パン屋開業を成功させる戦略として、まず考えなければならないのはお客様のニーズです。学生か社会人か、あるいはファミリー層なのかなど、出店場所に合わせて客層をはっきりさせます。その上で、客層に合わせたメニューや焼き上がりの時間帯などのニーズを考えましょう。

オリジナリティのあるメニューを開発する

オリジナリティのあるメニューの開発は、他店との差をつけ、知名度を上げるためにも必要です。例えばクロワッサンやメロンパンといった1つの種類に特化したメニューや、天然酵母や国産小麦といった厳選素材を使用したパンなど、こだわりを感じるメニューは強みになるでしょう。

事前の計画をしっかり立てパン屋開業を成功させよう

パン屋の開業をスムーズに進めるためには、事前の計画をしっかり立てることが大切。また、必要な資金や資格、許可についても早めに準備しておくと安心です。アフターコロナにも対応したキッチンカーでの販売や、独自のメニュー開発などで他店との差別化を図り、パン屋開業を成功させましょう。